政治家と官僚

 近年、よく聞く「脱官僚」という言葉があります。
この言葉、政治家が発する時、響きがよい上に、大衆受けするかもしれません。
 しかし、実践できるのか?
もし、実践できないならば、有権者を騙すことになるでしょう。
 「名誉は政治家が取り、政策は官僚に丸投げ」という長年の慣行からすれば、
「脱官僚」を実践できるかは疑わしいでしょう。
 政治家は、「脱官僚」と叫ぶ前に、
まず政治家自身が「政策通」になる必要があるでしょう。
 さらに、問題は、政治家は、独自の情報網や情報収集システムを持っているか。
もし、情報網や情報収集システムがないまま、
「脱官僚」をしたら、政治家は、「裸の王様」になるだけです。
 政治家にとって、官僚は諸刃の剣かもしれませんが、
官僚をうまく使いこなすことが、政治家の要件です。
 現状では、官僚をうまく使いこなせないから、
「脱官僚」と叫んでいるようにも思えます。
 永田町には、四種類の政治家がいると聞きます。
一 政策もわかるが、政局もわかる政治家。
二 政策はわかるが、政局はわからない政治家。
三 政策はわからないが、政局がわかる政治家。
四 政策も政局もわからない政治家。
 正当に「脱官僚」と主張できる政治家は、
一と二の政治家だけでしょう。
 昔の自民党は、三の政治家が重宝だった時代があるのですが、
もう古き良き時代は終わったのです。
 「夕方、国会が終わったら、赤坂へ繰り出す。
土日は、歌舞伎や映画鑑賞、ゴルフ」という古き良き時代は終わったのです。
 後世、こうした政治家は、「古いタイプの政治家」と言われるようになるでしょう。
時代が急速に変わりつつある以上、求められる政治家も変わるのです。
 国内政治が難しいのは、もちろんのこと、
国際政治、世界経済、国際金融で、
今まで経験したことがないような「大波」が来ることは間違いない状況ですので、
これからの政治家は、一と二の政治家が重要となってくるのです。
一の政治家は理想でしょうから、せめて二の政治家を増やしていく必要があります。
 そういうわけで、これからは、日本という「村」だけでなく、
「世界」がわかる政治家が必要です。
世界の政治、世界の経済、世界の金融がわかる政治家が必要です。
 これからの時代は、地元の利益誘導は、知事や県会議員までの仕事です。
国会議員は、純粋に国益のために働くべきです。














































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